雨降りが続き ― 2025年05月22日 10時25分24秒
西洋サンザシ
ヨーロッパや北アフリカを原産とするバラ科の落葉樹。春に咲く花と秋に熟す実が美しく、庭木や鉢植えとして愛好される。葉、花、果実にはフラボノイド、ビタミン類及び精油成分を含み、そのエキスから作る生薬は皮膚のコンディショニングを目的として化粧品や健康食品に使われる。日本へ渡来したのは明治時代の中期。
イギリスからアメリカへ入植したピルグリムファーザーズを乗せたメイフラワー号が辿り着いたプリマウス(現マサチューセッツ州)にこの花が咲き誇っていたことにちなみ、アメリカの国花及びマサチューセッツの州の花となっている。
開花は4~5月頃。5枚の花弁を持つ白または淡いピンクの花が枝先に5~10輪まとまって咲く。花の直径は1.5センチほどで、円形の花びらは平らに開き、多数の雄しべと2~3個の花柱がある。原産地では白花が主流だが、日本ではアカバナが好まれる。
果実は直径1センチほどの球形で、頂部に「萼片」と呼ばれるものがミニトマトのように残る。9月頃に熟すと鮮やかな紅色となり、ジャム、ゼリー、ドライフルーツ、ジュース、生薬などに使われる。日本ではそれほどメジャーな食品ではないが、北アメリカ等では果樹としての品種改良が進んでいる。
葉は卵形で3~7つに深く裂け、縁にはギザギザが目立つ。枝や幹には小枝が変形したトゲがある。
キリストが処刑される際、セイヨウサンザシの冠をかぶっていたとされ、西洋のキリスト教圏においては神聖な樹木として保護されてきた歴史があり、イギリスのグラストンベリーなどに名木が残る。
寒さに強いが、植栽の適地は本州、四国及び九州となる。
日向かつ適度に湿った腐植質の多い場所を好むが、基本的にはどこでも丈夫に育つ。
枝は横に張り出しやすく、内側には徒長枝と呼ばれる、勢いのある枝が出やすい。枝ぶりは単純で樹形に面白みはないが、剪定に耐えるため、好きな形にまとめやすい。
(庭木図鑑植木ペディアHPより引用)
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